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通の編集部インタビュー~「月刊麺業界」

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もうすぐ夏!夏と言ったら海!山!フェス!めん!そう!冷たいめんが美味しい季節!逆に食欲が落ちるこの時期に、あえて熱々のめんを食べて暑気払いをするもよし!でも寒くなったらなったで、あったか~いめんが恋しいし、結局のところ、暑かろうが寒かろうが美味しいから日本人は年中めん類を食べています。昨年、某飲料メーカーが20歳以上の男女3,000人にアンケートをとったところ、7割近くが「めん類を週2回以上食べる」と回答したとのことで、まさにめん類は私たちの生活に絶対になくてはならない食材のひとつと言えます。

そんなめん類の業界動向を捉え、月刊ペースで詳細な記事を掲載する専門誌があります。

今回は「月刊麺業界」編集長の牧奈央子(まきなおこ)さんにお話を伺いました。

汁マガジン(以下、汁):2015年5月号で通巻500号となり、創刊40周年もの歴史を持つ「月刊麺業界」ですが、創刊に至った時代背景はどのようものだったのでしょうか?
牧さん(以下、牧): 米麦など主食に類する生産物は戦前も戦後も政府管理の統制・配給制度が続きましたが、戦後、生産量の回復にともない、昭和28年に政府の統制は解除され、めん類の製造・販売も自由化をむかえ、スーパーの進出による販路拡大と外食産業の広がりなど、めん類消費の社会構造が大きく変化しました。この変化に対応する企業とできない企業の優劣が明白になり、対応できない企業の廃業脱落が増加し、さらに昭和38年ごろのオイルショックが燃料を石油に依存しているゆでめん業種にとって大きな痛手となり、かなりの廃業者を出してしまいました。さらにゆでめん製造の後処理工程として製造後のゆで湯の廃水処理が社会問題になり、業者は排水処理装置の設置など過大な設備投資にも悩まされました。

やがてスーパー・コンビニなど販売流通の拡大によりめん食品の量販体制が整い、袋めん企業の近代化が一段と促進されましたが、近代化に乗り遅れた企業は廃業に追い込まれてしまいました。結果として、生めん業界は消費者志向と流通近代化に対応できる企業のみが生き残る厳しい状況におかれていると言えます。
「月刊麺業界」は当初、「食品産業新聞」の袋めん工業版として月1回、「組合ニュース」と題して京都・大阪・兵庫のめん類組合に配布していたのですが、昭和48年のオイルショックのころに、より広範囲で詳細な情報を掲載し、業界の発展に寄与すべく、<めんの綜合専門誌>として大阪府製麺商工業協同組合の協力を得て発刊しました。()

汁:主な読者層はどのような方々でしょうか?
牧:めんメーカー、原料(小麦粉・添加物・副資材)メーカー、食品卸業、製麺機械メーカー、めん類外食店、関連組合団体などの方々です。 

汁:毎号、どのような記事を掲載されているのでしょうか?
牧:品目ごと(生めん・乾めん・即席)の特集ではメーカーの各社動向を掲載、一般記事は業界関連のニュースを随時掲載しています。

汁:読者の方に人気の企画がありましたら。
牧:製麺コンサルタント長谷川汎氏の連載は原価計算のための表のフォーマットを掲載するなど「実際に役立つ」と好評ですね。

汁:ここ数年の国内麺業界での注目ニュースTOP3をお聞かせ下さい。
牧:
(1)輸入小麦の政府売渡価格が変動制になり、小麦粉価格が年2回改定されることに
(2)国産小麦の人気が急上昇中
(3)各種コストが高騰、安売りメーカーがそろそろピンチ
といったところでしょうか。

汁:製作上、大変なのはどのようなことでしょうか?
牧:ほぼ一人で製作しているので車にひかれたり、急病に見舞われたりしないように気を付けなければいけないと思うのですが、気の付けようがありません。

汁:逆にやりがいを強く感じられるのは、どのような時でしょうか?
牧:読者さんから問い合わせがあったときですね。「めんメーカーを紹介してほしい」「このような原料はないか」など、読者の方同士がつながるような問い合わせは特にうれしいです。

汁:ほぼ毎号、美味しそうなめん料理が表紙を飾っていますが、外部から提供された写真以外はご自身で撮影されているのでしょうか?
牧:そうですね。早く食べないと伸びるのでササッと撮ります。昼ごはんなどを食べに行ったときでもめん類が出た時にはとりあえず撮っています。あとはラーメン好きの後輩に「とりあえずなんでも撮ってきて」と頼んであるので、スマートフォンで撮影している場合もあります。スーパーなどの新店取材に行くことも多く、売り場の写真を撮る(または撮ってきてもらう)こともあります。

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撮影場所、品名と牧さんのコメントも記載。まさに飯テロです。

汁:取材でご試食される機会は多いのでしょうか?
牧:ものすごく多いわけではないですが、食べます。残さず食べるのが流儀です。

汁:めん料理で一番お好きなものはなんでしょうか?
牧:そうめんです。ゆでるの、得意なんですよ。細いのが好きなんですが、夏はもちろん、冬は温かくしていただきます。

汁:個人的にオススメの「ご当地めん(料理)」がありましたら。
牧:博多のごぼ天うどん、伊勢うどん、京都の背脂チャッチャ系ラーメン、そのほかにもいろいろあります。

汁:お仕事として、もしも以下の選択肢がお選びいただけるとしたら、どれを選ばれますか?理由も併せてお聞かせ下さい。
a)「月刊麺業界」編集長
b)「めん類業界にこの人あり!」と言われるめん職人
c)世界一の個人的めん類マニア
牧:a)ですね。仕事の対象物とはある程度の距離を保っていたいので、このあたりが適当かと思います。

汁:牧さんにとって、ズバリ「めん類」とはなんでしょうか?
牧:「めしのタネ」です。

汁:お忙しい中、ありがとうございました!

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「月刊麺業界」編集長の牧奈央子さん

以前は麺業界とは異なる分野で編集のお仕事をされていたという牧さん。「流行りのラーメン店特集」などのバラエティ的切り口ではなく、業界のオピニオンリーダーのインタビュー記事や、麺業界全般に関わる情報や各種数値動向を正確に、かつわかりやすく掲載する「月刊麺業界」を、編集長である牧さんがほぼお一人で手掛けられていることに驚かされました。

「めん類が嫌いな人はいませんから」とやわらかな笑顔が印象的な牧さんは、小学生のころ漫画家になりたかったそうで、そんな牧さんが夢を叶えたといえる、ご自身の筆になるゆるかわ四コマ漫画「Let’sめん太郎」が「月刊麺業界」巻末に絶賛連載中です。こちらも必見ですよ。

() 当時の状況に詳しく、実際に創刊を手掛けられた食品産業新聞社大阪支局の「月刊麺業界」初代編集長の島崎利吉さんに、牧さんを通じてお話をいただきました。ご協力、ありがとうございました。

(2015/07/09 Thu by NAS)

「月刊麺業界」紹介記事はこちら

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