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ダム愛好家が集う夜~「with Dam☆Night 2015」体験レポ

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小雨模様の2015年6月26日の夜。

ダム業界の第一線で働かれているプロフェッショナルや、ダム愛好家の最高峰の方々が、世界のいろいろなダムを紹介し、ダムの魅力を語るという、大変にマニアックかつ興味深いイベントに参加致しました。

これは設立25周年を迎える一般社団法人ダム工学会が主催する一般向けシンポジウムで、ダムの魅力を発見、配信する目的で一夜限りの開催となる、その名も「with Dam☆Night」というイベント。

会場となる日本橋教育会館ホールには開始前から関係者や愛好家の方々をはじめ、多数の参加者が集まり、独特の熱気が感じられます。

オープニングはダム工学会会長、岡本政明氏の挨拶から。大阪にある、616年(飛鳥時代)に完成した狭山池ダムが現在も使われていることに触れられていましたが、日本のダムの歴史が想像以上に古いことも驚きですが、それがまだ現役だという事実に初っ端から度肝を抜かれます。

会長挨拶に続く最初のメニューは、一般社団法人日本大ダム会議専務理事の松本徳久氏による「世界のダムいろいろ」から。
日本は15メートル以上の大きなダムの数が世界4位だというトリビア(1位は中国)や、海外のダムの事故の事例等を専門的見識を踏まえつつ、わかりやすく説明されていました。
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「世界のダム紙幣と経済」と題した講演では、全国各地にあるダムの緯度経度情報をもとに、Google Maps上にその位置を表示するアプリケーションを自主開発し、また、ダムの図柄を取り入れた各国の紙幣(=ダム紙幣)に深い造詣を持つことでも有名なtakane氏が、実際のダム紙幣を紹介しながら、その図柄や、作られた歴史的背景をユーモラスに解説。
かつてのアフリカでは頻繁にダム紙幣が作られたとのことですが、実際にはアフリカはダムがそれほど多くなく、当時支配権を持っていたイギリスの力の誇示のためだったのではないかという推論には、なるほどと思わされました。ちなみに世界最初のダム紙幣は1800年代にカナダで作られたもので、人間の手によるダムではなく、ビーバーのダムを図柄にしたものだったそうです。
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続く「タスマニアのダム」では、ダム事業の専門家であり、瑞宝小綬章を受賞されている中村靖治氏が、豊富な写真資料をもとにタスマニアのダムの現状を解説。実際に現地を旅した上で、専門的な観点からの施工法の説明等も交えながらの講演でしたが、現地のダムの写真が映し出される度に会場からは「おぉ~!」と嘆声が漏れていました。
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そして「日本のダム好きが選ぶ世界のすごいダム」という直球タイトルのコーナーでは、ダムツアーの主催やダムのDVDや書籍の出版や監修、サイトの運営、トークショーをはじめとした各種イベント出演等で知られるダムライターにしてダム写真家の萩原雅紀氏が、タイトル通り、世界各地の色々な意味ですごいダムを紹介。
「日本にはない形のダムにぐっとくる」という氏の言葉通り、紹介される各国のダムはどれもユニークで、驚きを隠せないものばかり。どうやって作ったのだろうと思える不思議な形状だったり、水漏れをしているのが明らかなものだったり、ロールプレイングゲームに出てきそうなデザインのものだったり、同じ「ダム」というひと言で表されても、世界には本当に様々なダムが存在することにあらためて気付かされました。

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ラストはダム工学会の川崎秀明氏の進行で、土木学会の勝濱良博氏、水資源機構の染谷健司設計事業課長とtakane氏、萩原氏による「そうだったのか、世界のダム」と題したトークショー。
登壇者それぞれの思う「最も世界遺産にふさわしいダム」「最も貢献しているダム」「最もアンビシャスなダム」「最も考えさせるダム」「いつか行きたいダム」が紹介されましたが、世界各国のダムの景観とともに、その国の歴史や情勢にも触れられ、ダムというものが国を問わず、人の生活に密接なものであることや、日本の企業が世界各国のダム作りに貢献していることが、説得力ある言葉とともに伝わってきました。
各氏の「いつか行きたいダム」が、現在情勢不安定の地域にあるものが多かったことも印象深かったです。
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豊富な写真資料と、講演者の巧みかつ真摯な話術で世界各国のダムを実際に旅して回ったかのような充実感が残るイベント。

インターネット検索で世界各国のダムをパソコンやスマートフォンの画面上で見ることが簡単な時代だからこそ、一度は肉眼で壮観なダムのある風景を見てみたいという思いを抱きながら、会場を後にしました。

「月刊ダム日本」の記事はこちら

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