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舞台「ベター・ハーフ」感想

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今月5日、無事に東京凱旋公演千秋楽を迎えたので感想を短めに。

あの鴻上尚史と実力派4人の男女ががっぷり組んだストレートプレイ。
出演はテレビはもとより、ミュージカルから朗読劇まで数々の舞台で存在感ある演技が光る風間俊介。コメディアンのみならず、俳優、彫刻家と多彩な顔を持つ片桐仁。舞台にテレビ、特撮ドラマ等、目覚ましく活躍中の真野恵里菜。そしてミュージシャンから、そのキャリアをスタートさせ、現在は映像や舞台で女優としても活動中の中村中。
これだけの面子が集まってつまらないわけがなく、替え玉デートから始まる4人の男女の交流と葛藤を時にコメディタッチに、時にシリアスに見せてくれる、あっと言う間の2時間。

PR会社の敏腕サラリーマン諏訪(風間)は、上司の沖村(片桐)から「SNSで知り合った女性に自分だと言ってお前の写真を送ったから、お前がデートに行って、相手がどんな女性か確かめてきてくれ」と無茶な依頼を押し付けられる。渋々デートに出向いた諏訪の前に現れた平澤(真野)は、実は沖村とSNSで知り合った小早川(中村)に頼まれてきた、こちらも替え玉で…。
些細な企みと、秘密から始まった4人の男女は、時間を追うごとにその関係性や距離感を変えながら、それぞれの幸せのカタチを目指していくという物語。

爽やかな空気感を纏いながらも、ギャグもシリアスも柔軟に魅せる風間と、笑うしかない悲惨な境遇を独特の味わい深い芝居で体現し、じわじわと観客の心を掴んでくる片桐ら男優陣。
真っ直ぐな生き様をキュートかつエネルギッシュに伝えてくる真野と、トランスジェンダーとしての葛藤や想いを、強い説得力を持たせながらも、決して場を重苦しくすることなく、豊かな表現力で演じる中村ら女優陣。それぞれの掛け合いが実に精緻で、見事なアンサンブルとなって昇華する瞬間に、時が経つのを忘れる程。
報われない想いに身をやつし、悲惨な状況になればなる程、人生は笑ってしまうくらい、可笑しく、哀しいものになるということを臨場感を持って伝えてくる4人の生き様に、深く伸びやかな中村の歌が彩りを添えます。
作・演出の鴻上の意図する部分をしっかり汲み上げ、オリジナリティをもって表現する役者陣と鴻上の見事なチームワーク。
舞台上に配されたパネルが、映像投影でパズルの形状となり、「欠けた自分のピース=パートナーを探す」というテーマを表しながらも、時に背景として、時に崩れゆく人の心象風景を著わす描写として効果的に使われる手法もユニークでした。

作・演出家と出演陣に美術、音響、照明と、すべてに贅沢で良質なエンターテインメントを味わえる舞台。
再演があれば、是非とも行きたいと思います。

◆舞台「ベター・ハーフ」
作・演出:鴻上尚史
CAST:風間俊介/真野恵里菜/中村中/片桐仁
STAFF:美術:松井るみ/音楽:河野丈洋/照明:中川隆一/音響:原田耕児/振付:川崎悦子/衣裳:森川雅代/ヘアメイク:西川直子/映像:冨田中理/演出助手:小林七緒/舞台監督:澁谷壽久/宣伝美術:kazepro/HP制作:overPlus Ltd./運営協力:サンライズプロモーション東京(東京公演)、サンケイホールブリーゼ(大阪公演)/制作:倉田知加子・高田雅士/プロデューサー:後藤隆志・関歩美/エグゼクティブプロデューサー:松浦大介/企画・製作・主催:ニッポン放送・サードステージ
東京公演:2015年4月3日(金)~20日(月) 下北沢本多劇場
大阪公演:2015年4月25日(土)~26日(日) サンケイホールブリーゼ
東京凱旋公演:2015年5月3日(日)~5日(火)  よみうり大手町ホール

(2015/05/08 Fri Written by NAS)

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