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スペースシャワー列伝第130巻~桃源洞裡(とうげんどうり)の宴~ライブレポート

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春の列伝開催!心地良い陽気の中で聴きたいグッドミュージックを奏でるアーティスト達が登場。never young beach / Tempalay / Rei / SANABAGUN. による俗世や時代の流れから一歩離れた理想郷のような一夜。

今年で16年目に突入し、のべ500組以上のアーティストたちが出演を果たしてきたスペースシャワー列伝。記念すべき第130回目となる今回はサブ・タイトルに「桃源洞裡(とうげんどうり)の宴」と冠され、ある意味で“異色”とも呼べる若手アクト4組が一堂に会し、満員御礼のフロアを心地よいグルーヴ&サウンドで包み込んだ。

Tempalay

Tempalay

トップバッターを務めたのは、年明け早々にデビュー・アルバム『from JAPAN』をリリースし、米テキサスの音楽見本市SXSWにも出演を遂げたTempalay。恍惚としたギターの音色が印象的な“Band The Flower”で幕開けしたライヴは、サイケデリックなリズム&ビートが生み出すトリップ感と、日本語の「響き」を突き詰めたような小原綾斗(Vo・G)のヴォーカルがとにかく気持ちよく、サポートで参加するAmy Furuharaとのコーラスワークも相性抜群だ。「チューニングするの忘れちゃいました(笑)。でも、皆さんも色んなこと忘れるためにここ来てるんですよね?」と小原が告げると、イントロからどこかストーン・ローゼズを思わせる未発表曲“JOE”を投下。全6曲の短いセットながら、その新人離れしたポテンシャルの高さを見せつけるパフォーマンスだった。

Rei

Rei

二番手は弱冠5歳でブルーズに開眼し、Tempalayと並んで今年のSXSWに出演したことも話題になったSSW/ギタリストのReiだ。2ndミニ『UNO』のインスト曲“Soleil”と共に登場するや否や、アメリカの荒野を駆け抜けるような“my mama”の爆音ロカビリーでオーディエンスを完全掌握。華奢なカラダからは想像できないパワフルなギター・プレイはウワサ以上で、続く“Black Cat”ではジョニー・ウィンターも真っ青のカッティングやハーモニカも披露するなど、その音楽的ボキャブラリーの豊富さにあちこちで熱い歓声が上がっていた。緊張のせいかMCは控えめだったが、リズム隊とのソロ・バトルに火花を散らした“OCD”から、自然とハンドクラップを巻き起こした“BLACK BANANA”へと至るクライマックスは間違いなくこの夜のハイライト。もはや全国区でのブレイクも時間の問題だろう。

SANABAGUN

SANABAGUN

Reiのバトンを受け取ったのは、昨年10月にメジャー・デビューを果たしたSANABAGUN.。彼らの辞書に「肩慣らし」なんて言葉は無く、新曲“板ガム―ブメント”で幕を開けたライヴは、笑いと汗とグルーヴにまみれた地上最強のエンターテインメントだ。高岩遼(Vo)と岩間俊樹(MC)が「俺らがレペゼンゆとり教育」「平成生まれのヒップホップチーム」とお馴染みのフレーズを繰り出すと、またも新曲の“BED”を披露。艶のある高岩のヴォーカルには女性客もメロメロで、不穏なピアノ・リフが牽引する“デパ地下”、会場をダンスフロアへと変貌させた“居酒屋JAZZ”など、とにかくステージから放たれるエネルギー量が尋常じゃない。ゴキゲンなホーンが鳴り響くラストの“人間”では、コール&レスポンスもバッチリ決まり大団円。ワンマンかと見紛うフロアの加熱ぶりが、彼らの止まらぬ勢いを物語っていた。

never young beach

never young beach

そしてこの夜の大トリを飾ったのは、日本のサイケ/フォーク界の担い手となりつつあるnever young beach。トリとはいえ肩肘張らないスタンスが彼らの魅力だが、鈴木健人(Dr)がフライング気味にカウントを始めると、安部勇磨(Vo・G)が「おいおい、ちょっと待てよー(笑)」と突っ込んでオーディエンスの爆笑を誘う。気を取り直して1曲目は“夏がそうさせた”。O-nestのフロアは、たちまちヤシの木が揺れる夏のビーチへと姿を変えていく。6月8日には待望の2ndアルバム『fam fam』をリリースするネバヤンだが、この日は新曲も大盤振る舞い。ビートの疾走感がサーフィンにも打って付けな“MOTEL”や、リバーブの効いたヴォーカルとポジティヴな歌詞が印象的な“fam fam”など、前作以上にトリプル・ギターの奏でるリフやソロが強力になり、個人的にはストロークスからの影響を色濃く感じたりもした。思え
ばリハの際にテーム・インパラの楽曲をベースで爪弾いてみたり、入場曲がデヴェンドラ・バンハート(ネバヤンは6月に予定される彼の来日公演で京都公演のオープニング・アクトを務める)の“This is the way”だったりもしたので、音楽ファンのツボを突くメロディー作りが本当に上手いのだ。アンコールの“お別れの歌”では、阿南智史(Gt)のギターの弦が外れてしまい演奏を2回もやり直すというハプニングが発生するも、「オマエ次できなかったらボウズだかんな!」と安部が茶化すシーンもあり、最後の最後までネバヤンらしい「ユルさ」がなぜか心地よいライヴだった。MCでも明かされたが、今後様々なコラボレーションを実現していくそうなので、引き続き彼らの一挙手一投足から目を離さないでほしい。

なお、このライブの模様は6月30日(木)23:00~からスペースシャワーTVにてオンエア。
Text by Kohei UENO
Photo by MASANORI FUJIKAWA

セットリスト
Tempalay
1. Band The Flower
2. Oh.My.God!!
3. made in Japan
4. JOE
5. Festival
6. Have a nice days club

Rei
1. my mama
2. Black Cat
3. Long Way to Go
4. JUMP
5. Love Sick
6. OCD
7. BLACK BANANA

SANABAGUN.
1. 板ガムーブメント
2. SANABAGUN. Theme(新Ver.)
3. BED
4. デパ地下
5. 大渋滞
6. 居酒屋JAZZ
7. 人間

never young beach
1. 夏がそうさせた
2. MOTEL
3. どんなかんじ?
4. あまり行かない喫茶店で
5. fam fam
6. 明るい未来
7. どうでもいいけど
En. お別れの歌

Article Categories:
Music

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